豚に限ったことではないが、優れた食肉の生産は、元となる品種・飼料・衛生管理・健康管理・糞尿の処理に至るまで徹底した姿勢を持ち、一切の妥協を許さない態度と、生きとし生けるものを育む愛情がなければ出来はしない。

●豚肉は私たち日本人にとって欠かすことのできない大切な食品です。良質のタンパク質を含み、柔らかく調理しやすく、貴重なビタミンB1の供給源ともなっています。
●近年消費量が増し、生産技術の進歩で繁殖力が大きくなり生産効率は上がったものの、その分体質の弱い豚が多くなりました。また、狭い畜舎で多く飼育する「密飼い」をするため、ノイローゼやストレスから疾病を併発する豚が増えてきました。

●その対処として様々な薬を飼料に混ぜるのですが、てきめんに肉質は劣化します。また、早く大きく育てるためにむやみにカロリーアップさせるのも、肉質を落として味を悪くする原因です。
●このような現状の問題に、以前から疑問を抱いていた養豚農家の人たちがいました。「誇りが持てるようなほんとうにおいしい、安全な豚肉を新鮮な内に提供しよう」と考え、結成したグループが「グローバル ビッグ ファーム」(GPF)です。しかしながらこのグループが、全国各地で国際感覚を持ちながら活躍する、近代的養豚家の集まりとなるためには内外の専門家の支援が必要でした。

●それに答えて設立されたのが獣医師たちのコンサルタント会社「GPラボラトリーズ」です。
●養豚技術の中で最も重要なものの一つが衛生管理技術ですが、残念ながら日本は欧米に比べ大きな遅れをとっているのもこの分野です。従来獣医師は、病気の豚だけを診療する臨床的個体診療でした。これに対してGPラボは農場の施設・設備・環境などの面と、全体の豚を「群」としてとらえた予防医学的な発想の面を同時にとらえて管理するシステムを導入しました。
●この二つのグループの信頼と人の輪により、トップレベルの技術革新が可能となり、養豚経 営の安定、安全でおいしい豚肉の供給が可能となったのです。

●古くから上質の豚肉を「もち豚」と呼び、品質の劣る「水豚」と区別していました。越後もち豚の生産者は、豚がほんとうに好きな人たちの集まりで、家族が一丸となり愛情を以て豚の飼育をしています。グループ全員が同じも豚、同じ飼料を使い、データーを共有し、たゆまず努力をしています。なにより安全で美味しい豚肉の生産に誇りを持った人々なのです。

●越後もち豚のポイントは、美しいつやのあるピンク色で、脂肪は白くつやがあり、肉のきめが細かくなめらかで自然なしまりがあり、良質の脂肪が多く安定しているため変質しにくく食べて美味しく柔らかいことです。
●このようなすばらしい豚肉を得る原点はもと豚の肉質から。欧米を視察し、世界各地の専門 家との情報交換を行い、肉豚の育種改良の先進諸国から優秀な原々種豚(種豚のもととなる最  初の世代の豚)を輸入しました。日本初輸入のものも含め、ラージホワイト種・ランドレース種・デュロック種の純系に限定し、これらの豚をもとに交配を重ねて理想的なもと豚を作る ことに成功しました。つまり、育種から養豚までを自らの手で一貫して行うことにより、豚肉の品質と安全性を確保できるようになったのです。

●正しく安全な飼料を、自分たちで設計し与えていることもGPFの特色です。厳格に原料をチ ェックし高品質なものしか使いません。豚の栄養バランスや成長、肉質に重点を置き、アミ ノ酸バランスによる設計で遺伝的能力を十分に発揮できるよう工夫されています。
●穀物相場が変動しても飼料の内容を変えません。豚肉の柔らかさはトウモロコシが決めてで す。カロリー源は品質の安定したアメリカ産トウモロコシを使います。蛋白源にはアミノ酸 バランスの良い国内産大豆粕のみで、安くとも品質の悪い中国やブラジル産は使いません。
●単に大きく早く育てるため、むやみに油脂などでカロリーアップせず、出所不明なものなどもってのほかです。

●豚肉のおいしさは脂肪の質で決まります。それには飼料の脂肪と微量要素により左右されます。 GPFでは、
1.飼料中の脂肪1gに対してリノール酸が150㎎以下であること。
2.飼料中の粗脂肪が4%以下であること。
3.飼料の脂肪酸の内、不飽和脂肪酸と飽和脂肪酸の比が1.5対1以下であること。
4.銅を125ppm以上添加しないこと。
5.ビオチンを1キロあたり100mg程 度適切に与え、銅とのバランスをとること。
6.ビタミンEをキロあたり100mg与えること。
これらが満たされて初めて美味しい豚肉ができます。

●一般的に、豚は発育段階によって栄養要求量が異なりますが、豚の改良によっても異なってきます。正しく配合設計された飼料を与え、豚の遺伝的能力を十分に引き出せば、発育の早い豚の方が美味しいといえます。

●牛肉と違い豚肉は新鮮なものほど味が良く、肉質も最高の状態にあります。もち豚のおいしさをできるだけ早く消費者にお届けするには、スピーディーかつ一貫した流通システムが必要です。
●養豚場から出荷され、と畜した後グループ内の工場へ運ばれます。ここでは、徹底した温 度管理と衛生管理のもとに清潔な環境が整備され、安全で迅速な作業が行われます。

●豚肉の性質に精通した熟練の技術者によって各部位にカットされ、一定水準に達した品質を 保つものだけが「もち豚」の規格肉として出荷されます。
●また、運送もGPFの理念に共鳴する流通業者との提携により、一定のマニュアルに基づいた温度管理と衛生管理を行い、迅速にフレンドフーズの店頭まで丁寧に大切に届けられます。
●それだけでなく、GPFは常に品質の向上を図り、ベストを目指します。製品とした一部をサ ンプルとして回収したり、販売店や消費者からの情報をフィードバックして、分析・研究し 改善する努力を怠りません。
●このように、育種に始まり養豚・加工・流通を自らの手で行うことでなければ、せっかくの 「もち豚」の品質を保つことができません。
●じっくり丹念に時間をかけて作り、より早くスムースに新鮮な内に届けられる「もち豚」。このおいしさは「もち豚」に関わる多くの人たちのまごころが集約された結果ですね。