トルコ戦当日の朝、千葉県の海産物メーカー「リアス」のS専務から「3時頃に商談に伺っても良いですか?」との電話があった。「だめ~っ。絶対だめ。商談はだめ!」と一応は断ったが、せっかく千葉から出てきてくれたのだから「じゃ、サッカー一緒に見よか。」と約束をした。興奮と感動のサッカー観戦を終え、お互いに疲労感を覚えながら商談に入る。リアスは、日本人が昔から親しみ食べてきた海藻・小魚・調味料 の国産一級品を厳選し、素材にこだわり続ける数少ない海産物メーカーだ。掲示板に「今月ですが、超レアな美味しい商品を持参しますのでまた、ご連絡致します。」と書き込みして頂いていたので楽しみにしていた。そこで、S専務が取り出したのが「干しかじめ」である。僕も知らなかったが、かじめとは昆布に属する海藻で、日本全国(特に太平洋沿岸)に分布し、分布は広いが量的に多くなく、地元の人が拾って食べていた位で、あまり流通には乗らなかったものらしい。以前テレビで血液がさらさらになる効果が期待されると取り上げられ、一躍注目を浴びだしたらしい。専務のうたい文句は「新芽(根付き)のみを厳選。超レアもの通称『とろろめ』。伊豆半島・静岡県産の天然もの。超レアな根付き・早採りタイプ。根付きなのは国産の証し。「とても柔らかくて、良くねばって、美味しいです」

早速試食する。食べ方は実に簡単で、はさみで薄く切りみそ汁などに入れるだけ。うんうん。海藻の磯の香りがしてきたぞ。粘りが出てきてなかなか旨い。もっと食べたい。粘りが強く、ほかの具まで巻き込んでしまうほどだ。昆布ほど厚みが無いので、食感もなかなか良いかみごたえだ。隣で一緒に試食していた「天敵」が、いきなり大きな声をだした。「これやっ!私が探してたんは!」九州に旅行した先でごちそうになったらしい。天敵のプレッシャーが有れば、ここはもう仕入れるしかない。
「専務。直ぐに納品して下さい。」