2月9日タイのドン・ムアン空港に降り立った。同国から野菜や果物の輸入販売を手がけるシーオン(株)の現地ほ場と工場の視察研修ツアーに参加したのだ。タイを訪れるのは約四半世紀ぶりだ。(こんな表現はいかにも爺臭いが、5月で50になるからには案外似合っているのかも知れない。)

四半世紀前、大学を卒業し「帝人ボルボ」という会社に入社。名古屋支店に配属され、セールスマンをしていた。自動車のセールスはだいたい基本給は低く、販売台数に応じたインセンティブ(歩合給)を加算されて給与とされている。だから、売れない月はかつかつの生活を余儀なくされていた。この会社では、セールスマンの意欲向上を狙い「セールスコンテスト」なるものが行われていた。全国の登録セールスマンの上位何名かを海外研修という「飴」を与えて互いに切磋琢磨させようと言う魂胆である。どこで間違ったのか、その上位何名かにかろうじて引っかかり、一年目にしてABVOLVOタイ工場見学ツアー(先輩諸氏から、実は豪華絢爛夢のような酒池肉林ツアーという情報が流れていた)に参加できたのである。

当然の事ながら、バンコックは大きく変わっていた。空港は大きく新しくなったしハイウェイも整備され(以前は空港から中心地までひどい渋滞で、とても時間が掛かったことを覚えている)大きなビルが建設されてまるで違った大都会に変化していた。今思うとその頃はやはり車屋の目で都市を見ていたようだ。バンコックの第一印象は日本の廃車捨て場から拾ってきたような車ばかりが黒い排気ガスをまき散らしながら走り回っている有様で、特にその頃は、どういうセンスか理解できなかったがフロントバンバーを取ってしまうことがかっこいい事とされていて異様だった。それがピカピカの車に変わっている。交通安全からも大気汚染からも結構なことである。

まずはホテルにチェックイン。ホテルはMOTIEN HOTELという四星ホテル。バンコックのビジネスとショッピングの中心街、シーラム・ラマ四世通・スワラン通近くにあり非常にロケイションも良く、落ち着いた雰囲気の高級ホテルであった。

少し早い夕食はCOCA RESTRANTというシーフードレストラン。真ん中に大きな煙突のあるアルミ鍋(日本のしゃぶしゃぶ鍋)で海老やカニを茹で、ナンプラーやその他の調味料香辛料を付けて食べる。これは素材が全てだ。新鮮この上ないほどの海老やカニは勿論旨い。このときカメラの調子が悪く、フラッシュが発光しなかったので写真が旨く写っていないのが残念。カニは沖縄のマングローブにもいるゴッツいはさみを持ったどう猛な奴だ。

一品物でのお気に入りは海老の身を殻から一端取り出し、すり身にして野菜や香辛料を混ぜ、再び殻に詰めて油で揚げたもの。これは非常に旨かった。海老と野菜の甘みが解け合って、人の分まで食べる。また空芯菜の炒め物もお気に入りとなる。お約束のトムヤンクンだが、正直それまでは好きではなかった。しかし、此処でのそれは酸っぱすぎず辛すぎず、癖になりそう!

バンコックでは最近法定化されたそうだが、公共の建物、ホテルやレストランなどクローズされた空間は全面禁煙となり、違反者にはかなりの罰金が科せられる様になった。貸し切りの観光バス内でも禁煙なのだ。私のようなチェーンスモーカーにとっては誠に辛い国になっていたのだ。裏切りものめ。国際都市なら今は常識だという。でもね、でもね、バランスってものがあるだろ!一台のバイクに4人も乗って全員がノーヘル(一応ヘルメット着用は義務)で、しかも逆行で走っているのがそこらに幾らでも居る。これってメンタンピンサンシキイーペーコー並の役萬違反じゃないの? こんなのほっといて、たばこにだけ厳しいなんてどこが国際都市じゃ。  つづく