2004年3月9日

2月17・18日に蔵の素研究会の総会が京都で開催された。17日は津の吉さんの工場見学と吉田社長の講演会、蔵本による「純米酒」表示に関する説明などがあり、それはそれで有意義ではあった。続くホテルオークラ京都での懇親会で私はいつもの如く酔っぱらってご機嫌だったのだが、地下2階の居酒屋の料理(?)には閉口した。私には一つも食べられるものはなかったのである。オークラとあろうホテルが何故このようなレベルのテナントを入れているのだろうか。責任者に聞いてみたいところだが、「ほっとけや。」と言われるのがおちであろう。

懇親会お開きの後。少々風邪気味だったので失礼しようと思っていたのだが、30名程で二次会をしたいので京都は地元だから会場を案内せよとのお声がかかり、祇園のなじみの店に案内することとなった。この店にはもう20年以上通っているが、今でこそカラオケ装置があるものの、それまではマスターがギター一本で演歌・民謡からアリアまで伴奏して歌わせてくれる「元祖カラオケ」である。

この店に来れば元気が出てはしゃぎまくるおバカな私。いつの間にか若手連中は姿を消していなくなっていた。後で聞けば夜の町へお楽しみに繰り出したそうな。いいなぁ。何で誘ってくれなかったの?(涙)宴たけなわであったがやはり体が持ちもせずお先にそっと帰らせていただいた。今考えてみるとこのときすでに、事件は奥深い所でその萌芽を切っていたのであった。

18日は弊社下鴨の店舗をメンバーの皆様に見ていただいた後、京都中央信用金庫下鴨支店の会議室をお借りして昼食会。昼食は弊社が担当したお弁当である。研究会から任された予算は2千円であったが、総菜責任者に「フレンドフーズの威信を懸けて作れ!会社の興亡この弁当にあり!」と採算は勿論、仕事の段取りまで狂わせて作らせたしろものである。

総菜担当者は張り切った。張り切りすぎてどんどんおかずを詰めて行き、大の大人でも食べきれない程の量になってしまった。さらに、ご飯を一番初めに盛りつけたのと、弁当容器の蓋が紙製で、密封できずに水分がどんどん抜けて行き、ご飯がとても容認できない程かたくなっちまったのであった。昼食は私の話を聞いて貰いながらであったので、つまり私と皆様が対面する形だったので、無理をされた方々が多かったのではないかと危惧している。会員の皆様ごめんなさい。普通のおべんとにしとけばよかったね。

研究会から何かしゃべってくれと頼まれ、話がへたくそで文章を書くのがよっぽどいい派の私であったが、三顧の礼を持って頼まれると(嘘だよ)嫌とは言えない。聖書のマタイによる福音書、新島襄の寒梅の漢詩等々を引用しつついいかげんな事を一時間ほど話したらしい。らしいと言うのは、自分自身殆ど覚えていないのである。それほどいいかげんな話しを致しまして、会員の皆様重ね重ねごめんなさい。

蔵の素研究会のメンバーにAという会社があり、今回の総会にも参加した。まだ個人で動いているが近い内に法人化の予定だそうだからA社でいいだろう。A社は若い女性二人が起業した会社でそれほど時間はたっていない。まずオリジナルのマヨネーズとケチャップを作り売り出した。とても旨いが決して安くはない。「えっ?これ売れるの?」と私も半信半疑で思わず聞いた。

それが売れたのである。たまぷらーざの一角で二週間試食販売をして、何と400本以上売ってしまったのである。わたしはたまげた。こけた。普通できないよ。少なくとも私には無理だ。その後あちこちで試食販売に全国を飛び回って販路を広げていった。若さもあろう。しかし彼女たちの熱意と努力、行動力がお客様のご支持を得たことは誰しも否定しえない事実である。わたしはこう言う人達は好きだ。だからこそ、まだ詳しい内容は公表できないが、近くA社と協同で新規事業を計画しているのだ。

もともと私は「旨いものと酒はみんなのもんやんけっ」と言う主義だから、自分の会社と競合しない限りどんどん他社にも情報を差し上げてきたし、メーカーや取引先をご紹介もしてきた。彼女たちにも、私が仲良くつき合わせて貰っている(と勝手に思っているだけかも知れないが)全国のお店リストを差し上げた。中には私も同行して紹介したお店もある。今では彼女たちとはとっても仲良しになって、食事をしたり酒を酌みかわすのが私の楽しみの一つとなった。

「とっても仲良し♡」などと書けば、勘ぐる向きも有ろうが、私と彼女たちは「笑いの波長」が完全に一致しているのである。これは人間関係で最も重要な事だ。私の人に関する最大の評価基準は実にこの点なのである。また都会のお嬢様の感性とセンスでもって刺激を与えられるのは有り難い。つまり、オヤジがオヤジギャクを飛ばし、オヤジ自身はそれをオヤジギャグと気づかずにいるとき、「それはオヤジギャグよ。オヤジ」と言ってくれる存在なのである。この存在は得難い。

そんなA社のもとへ蔵の素研究会会長N氏の名で突然配達証明付きの手紙が送られてきた。それは「退会勧告」なるもので、曰く「研究会は類い希な蔵の素の普及を通じて日本の食文化を健全に継承する事が目的である」「会員は食作りに真摯に取り組んでいる」
「会員は全て人格者である」「こうした中で、あなた方の振る舞い・言動は目に余る」
「よって世話人、相談役、蔵本等全員の総意で、会員に相応しくないから会則第14条2項に基づいて退会を勧告する」というものであった。

A社からFAXが送られてきたとき、私は笑ってしまった。すぐに電話で「あんたたち何したの? 押し込み?カツアゲ?淫行?・・・・ガッハッハ」しかし、お笑いで済んだのはここまでであった。

事態は急変する。2月28日頃、蔵の素研究会の幹部達は事も有ろうにA社へ退会勧告をしたと、会員各位にFAXをまき散らしたのである。蔵の素研究会の会員の中に複数存在する「隠れA社友の会」の一人が「姫様、このような回状が来ておりますぞ」とご注進におよんだ。内容は先の退会届と殆ど同様である。

送られてきたFAXを読み、私は青ざめた。「蔵の素研究会」VS「A社」ならお笑いのネタで済むものを、第三者である会員にこのような文章をばらまいてただでは済まないってことを幹部達は考えなかったのであろうか。私にはおっかなくてこのような事はとても出来ない。私は彼らの信じがたい幼稚さに青ざめたのである。

具体的事由も示さずただ「言動が非常識」だから退会勧告を通知したなどという文章は明らかに誹謗・中傷ではないか。「書いてはならない実例文例集」って本がもし有れば、もくじの「訴えられるよ、こんな事書いちゃ」の筆頭例文に上げられるような文章なのだ。ガハハハハッ。さすがに人格高潔で常識をたっぷりお持ちのステキな方々ですこと!

さすがに彼女たちも笑っておられないことに気が付いた。会員の中にはA社と取引関係を持つ会社も複数存在するし、深く信用を傷つけられ今後のビジネスにも差し障りが出てくるのは明白だからだ。当然怒りは心頭に達したし、また不安感も胸一杯で有ったろう。
もしこれがうちのアベルであったら、頭にはねじり鉢巻き、手には得物を持ってすぐに「出入りじゃ〜っ」となぐり込みをかけ血の雨を降らせる場面であるが、そこはやはり育ちの良いお嬢様達、「どうすればいいんでしょう」と相談され「よしよし白馬に乗ったおうじ・・・オジサマに任せなさい」と言うわけで相手方に対する飛び道具を用意する。以下は私が作った内容証明のたたき台である。つまり飛び道具。

質問状

平成15年 月  日

蔵の素研究会 会長 N殿

 A社 代表 A 副代表 B

私どもは蔵の素研究会(以下研究会と表す)入会以来、料理酒の普及を通じて我が国の食文化を健全な形で継承して行こうという、研究会の趣旨に添って活動を行ってまいりました。ところが突然研究会会長西川吉次氏より「退会勧告書」なる文章が配達証明付きで郵送され、当惑と共に驚きを禁じ得ません。具体的な退会理由も明示されず一方的な為され様は決して私どもの納得行くものでは有りませんので退会勧告は拒否させていただきます。
この問題は私どもの名誉に関わる事案で、現在また将来的にも私どもの経済活動に差し障りを与えかねない重大な意味を持ちます。そこで研究会の代表である西川会長には私どもに対して説明義務が有ると判断し、下記の質問にお答えいただきますようお願い致します。蛇足ながら、一切の伝聞、想像、捏造、主観による情報は何の役にも立ちません。事実並びに真実のみでご回答下さい。

1. 「目に余る私どもの振るまい、言動」とは何であったのでしょう。具体的にお知らせ下さい。

2. 退会勧告書には「従って、世話人、相談役、蔵本等の総意で」と有りますが、会則が不完全・不明確なため役員の範疇が理解できません。従いまして総意に至った全ての方々のご氏名をご提示下さい。

6. 会則では蔵本は役員に含まれませんが、蔵本がこの決議に参加された根拠をお答え下さい。

7. 勧告書の「蔵本等全員の総意で」の「等」の意味と何時どこで総意が確認されたのかを具体的にお知らせ下さい。

8. 会則には「退会勧告書」なる文言は存在しませんが、根拠をご呈示ください。

9. 高い会費と入会費をぼったくり、難癖付けて破門するなんぞオレオレに続く新手の詐欺じゃねえのか?

今後私どもへのご連絡は文章をもってお願いいたします。電話連絡、私どもの法的代理人が立ち会わない場での話し合いは固くお断りいたします。また、この書簡をお受け取りになってから10日以内に西川会長の責任有るご回答をお願いいたします。期限を過ぎてもご返事いただけない場合は、2月 日に蔵の素研究会会員に配布された書面も含めまして法的措置を検討させていただきます。じゃね♡


勿論、質問の9と最後の「じゃね♡」はご愛敬であるが、全く根拠がないわけではない。蔵の素研究会の会則第15条5項には「決算内容は、役員間において確認し合うが、原則として会員への報告は省略する」ってちゃんと書いてある。いいよな幹部は機密費があってよう。町内会にだって会計報告はあるよ。事ほど左様にこの「会則」は不完全・不明確なのである。そのような会則を根拠に人を誹謗・中傷するんだから笑っちゃうよね。プッ♡

このたたき台を彼女たちの弁護士に見てもらって出来るだけ早く出そうということになった。ところが弁護士さんは「送付された文書は、しっかりした内容で訂正の必要がないと思います。」だって(笑) 本物の弁護士にほめられちゃったよう。しかし内容証明とするには字数・行数の制限があるのでそこと細部はプロにお任せして3月4日についに投函したのである。

私のお友達に喧嘩を売るのは私に喧嘩を売るのと同義である。彼らもそこら辺は有る程度おバカでもない。覚悟の上なのだ。大笑いしちゃうのは、私には退会勧告をしたというFAXは来なかった。私は会員ではないので当然問といえば当然なのだが、同文章内に「又現地で見学、ご講演と一方ならぬご協力いただいたN様(T社社長)、藤田 勝様(フレンドフーズ社長)に深く感謝申し上げる次第です。」と有るのにである。普通、感謝の言葉は感謝する人に差し上げるのが じょ・う・し・き ってもんだろ?実に姑息である。下劣である。◯ンタマちっちゃいのである。

N会長を初めとする蔵の素研究会の幹部達よ。人品高潔で常識を併せ持つ責任有る人物なら、彼女たちの質問に逃げずに真っ正面から堂々と答えよ!そして再び私は言い放つ、一切の伝聞、想像、捏造、主観による情報は何の役にも立たないことを知れ。事実並びに真実のみで答えよ。卑怯にも逃亡を図るなら第二第三の正義の飛び道具が飛来すると覚悟せよ。

『蔵の素』がかわいそうである!(涙、、)