兵庫県津居山港はボート競技でおなじみの丸山川が日本海にそそぎ込む河口に位置する。はっきり言ってこの港で獲れ、その大半を仕入れている「山本永二商店」が加工する松葉カニは日本一の品質と旨さだ! 津居山カニの漁場は大陸棚のはじっこにあたり水深200~500mの緩やかな傾斜になっていて松葉カニの大好きな生息場所だ。

その上水量豊かな円山川が山間部からミネラルを運んで植物性プランクトンの発生を促し、小魚の餌になる動物性プランクトンが大量にわき上がる。その小魚が大型魚やカニの餌になるの。また漁場は港から北東へ約40Kmしかないので時間にして約一時間半、夜出航した漁船は漁を終えても充分夜明けには帰港できるのだ。従ってこの港のカニはすこぶる鮮度がいいのだ。

水揚げされたばかりの松葉カニは時間をおかず山本永二商店の加工場に運ばれ、素早く水洗いされたのち、極力ストレスを与えぬよう真水で締める。かごに詰められ沸き立つ釜の中にチェーンで降ろされるが、温度・塩加減・茹でる時間などは企業秘密。永二社長は付きっきりで作業を監督する。この山本英二商店の「浜カニ」は京都や大阪の卸売市場の相場を左右するほど凄いのだ。約10年ほど前「浜塩のぐじ」の取材で山本商店に伺ったのだが社長・専務・おばあちゃん…の誰も私の記憶が無いという。当時私は体重75Kgでシルエットは真四角。今は63Kgのスレンダーボディだから無理ないけどね。

今回は一本足のかけたお買い得のカニを送って頂いた。昨年暮れに城崎でボーネンカイをしようと「カニ三杯付きで2万円!」との売りにうかつにも飛びつき、冷凍物を出され悔し涙をのんだ翌日、山本英二商店を訪ねてさんざ同情いただき、「カニは2月頃が旨くて安いよ」とのお言葉を頂戴したが2月を待てずに注文したのだ。

見よ! この津居山カニの美しさを。紅に輝くお姿にさりげなく添えられたブレスレット。これこそが本物の津居山カニの証なのだ。以前は山本英二商店のブランド「カネジョウ」の紙ラベルがトロ箱にペタッと張り付けられているだけだったので、闇でラベルが売買されていたこともあったという。

リアルマッコイな津居山カニをいただくに当たり、そこらの市販カニ酢では大変な無礼を働くこととあいなる。そこで倉敷鉱泉の「塩ポン酢」を3、柚子果汁を1、千鳥酢の「甘露千鳥」を1の割合でブレンドし、すり下ろした柚子の皮を加えた特製カニ酢を用意したのだ。酒は島根の「山三正宗」大吟醸。贅沢にも山田錦を麹米だけでなく掛け米までも35%まで磨き、協会酵母九号、袋取りの斗瓶囲い。「不味いわけないやろ!」というこの酒でなければ負けてしまうのだ。

甲羅の大きさは、私が小顔である事もあるが(自信)顔くらいある。カニ味噌たっぷり身もたっぷり♪ 甘いのである。弾力がある。脳の中枢を刺激する複雑かつ優しい旨みがある。諸君、冷凍カニとは全く似て非なるものなのでござるよ。「カニかまぼこ」がカニでないと同様ちがうんだい!

山本英二商店の津居山カニがどうしても食べたい方はosaru@xf6.so-net.ne.jpまでメール下さい。そのときの気分次第で連絡先を教えてつかわさないこともないよん。