鹿児島姶良町の鹿児島ますやのロースハムを社長の米増さんに頂いた。米増さんとはもうかれこれ10年近くのお付き合いで、主に薩摩黒豚の肉を供給して頂いている。世の中黒豚ブームというのか、どこにでも「黒豚」が販売されている。
薩摩黒豚のルーツは薩英戦争にまで溯らねばならない。紛争終了後、英国艦隊が食料として連れてきていたバークシャー種という豚と、琉球経由で(薩摩藩は琉球との密貿易でとってもお金持ちだったのですね)中国から入って来ていた在来種の豚が交雑して生まれたのが「薩摩黒豚」なのだ。他の品種に比べて薩摩黒豚の黒豚の筋繊維はきめ細やかで、保水力が優れるためモチモチした赤身の旨に加え、「白肉」と呼ばれる飽和脂肪酸を多く含み、融点が高い脂身の旨さが何と言っても薩摩黒豚の特長だ。
非常に美味な薩摩の黒豚だったが、欠点は繁殖力が弱く肥育が時間が掛って出荷時になっても小さい(肉の量が少ない)。昭和30年頃までは鹿児島では黒豚の生産が主流だったが、40年代になると経済効率の良いランドレースとか大バークシャー等の白豚に生産の主力がドンドン移って行き薩摩黒豚はほとんど駆逐されてしまった。
時は流れて飽食の時代、グルメブームで薩摩黒豚の旨さが見直された。当然高値が付いたが生産効率が悪い。そこで効率の良い品種と交配を繰り返す内に血統が分からない様になってきた。本来の薩摩黒豚は鼻は短く、激しい夕立があれば溺れるほど(嘘)ぺしゃんこで、下あごが上あごより長く横に張り出し胴長短足である。私が当社社員アベルをそのように命名したのは、上記薩摩黒豚の外的特長を著しく受継いだ種豚「アベル・サクラ・アリミズ」に由来する。薩摩黒豚の多い中、顔がすらっと細長く美形で体の大きい豚ははっきり言って偽物に近い。
鹿児島ますやは美形黒豚は扱わない。契約農家と共に本物だけを追求している鹿児島でも数少ない一匹オオカミなのだ。(米増さんの外見はオオカミとは言い難い。地元では「歩く黒豚看板」と呼ばれている。らしい。)

米増さんの本業はハム・ソーセージの作り手で、その延長上に薩摩黒豚への思い入れがある。だから彼の作る製品はすごいよ。普通こんなことしらっと言えるメーカーはあまりありませんです。
●黒豚100%
鹿児島ますやが厳選した一級品の黒豚のみを原料としています。
●化学調味料は一切不使用
化学調味料であるグルタミン酸ナトリウム等は一切使用せず、例えば、北海道羅臼産昆布等の天然物を使用。
●精製塩不使用
高血圧につながる精製塩ではなく、ミネラル豊富な天然塩のみを使用。
●発色剤不使用
亜硝酸ナトリウム等の発色剤は、発ガン物質を生成しますので、一切使用しません。
●結着剤不使用
結着剤であるリン酸はカルシウムと結合し、骨の形成を妨げます。新鮮な肉のみを使用し、結着剤を不必要。
●防腐剤不使用
防腐剤であるソルビリン酸は、発ガン物質の恐れありとの報告もあるので使用しません。そのため超急速冷凍を行っていますのが、開封後、3日以内にお召し上がりください。
●増量不使用
でんぷん、卵たん白等の一般的に使用されている増量剤も一切使用していませんので、黒豚本来の旨味を十分に味わっていただけます。卵アレルギーの方でも安心です。

というわけで、頂いたロースハムをスライスして、ノースプレーンファームの発酵バターを塗ったフランスパンに挟んで頂きました。このハムは所謂ハムじゃなくて、ちゃんと肉の味がするんです。嫌な後味が残らずに余韻が残るんですよ。口の中で白身がパンや赤身と混ざってたまらない幸福感が後を引きます。実は明日から鹿児島出張です。美味しい黒豚づくしの予定です。

ますやさんのハム・ベーコン・生ハムなどはお取り寄せ致します。