翌日は完全にふりーな一日。何故だかこの日は台湾北部の港町「基隆」まで一日プチ旅行に行くお約束になっていた。基隆は国際貿易港として賑わっていたが大陸との貿易が少なくなり,過日の栄華はないがそれでも台湾第2の港町だそうだ。

基隆までは台北駅から鉄道で30分位で行けるのだが、「それでは余りに情緒がないではないか。それを言っちゃお終いだよオイチャン。」とMRT(地下鉄)で淡水駅まで行き、そこから台湾海峡に沿ってぐるっと回ろう。運が良ければ(?)支那から飛んでくるミサイルが見えるかも…などと言いながらMRT(地下鉄)で淡水へ。そこからバスに乗るのだが、バス停を探すだけでも大変。「基隆」という二文字だけを頼りに適当に並んだ。ローカルなバスだからオンボロで汚い、学生時代に乗っていた様なバスを想像していたのだけど以外に綺麗。ガムの痕なんぞ床についてないよ。 (写真1

基隆行きバス路線には、きっと直通とか特急とか通勤快速とかあるに違いないが、私達の乗ったバスは確実に各駅停車バスであった。正確に数えた訳ではないが、マイバスは淡水駅から基隆まで実に150以上のバス停を巡る過酷きわまりないジャーニーであった。

基隆は「弁当を忘れても傘を忘れるな。」と言う格言があるほど雨の多い地域である。淡水を出て暫くすると快晴で暑い位であった空模様はどんよりと。当初は農村風景や各バス停の集落などを見てきゃっきゃっ言っていたのが次第に睡魔が襲う。眠たけゃ気持ちよく寝入れば良いのだが満員の社内、私達の座席に向かって吹き出す冷房の風向き調整がきっと中共の破壊工作に違いなく、アロンアルファを流し込んだように全くビクとも動かない。

「あわわわわ、寝るな! 死ぬど!」と互いに声をかけ合い死線を越えた。淡水で飲んだ多量のミネラルウォーターが幾分かは汗となって体外へ放出されたが、冷房の効いた社内ではそれさえも期待が持てず、段々存在感を増す下腹部の緊迫感を意識すまい意識すまいと瞼を閉じれば、浮かんでくるのがあの四文字熟女…じゃなくて「膀胱破裂」の四文字熟語。地獄の2時間半を乗り切って、奇跡的に破裂を免てれなんとか基隆にたどり着いたのであった。

終点基隆駅に着き、山腹を見上げれば「KEELUNG」の白い文字(写真2)。ハリウッドのぱくりやんけ! それにしても家並みはハリウッドとはかなり違うけどね。港に近い商店街は何だかザーマスおばさん御用達のブティックや時計宝飾貴金属の店が所狭しと並び、何だか震災前の神戸を連想させたが、元よりそんなところに全く興味はなく、目指したのは公設の「仁愛市場」である。横断幕にある「博愛市場」もすぐ隣にあったが行かなかった。 (写真3

台湾はさすがに亜熱帯。果物の種類が豊富で安い。写真は(写真4)高級果物店だけど日本の水準から考えるとやはり安いよ。ドラゴンフルーツ・メロン・林檎・パパイヤ・パッションフルーツ・ブドウ・梨…。現地で果物店は「水菓店」って書くようだ。だからスイカもある。(ハイ。確かにオヤジでした。すんまへん)

私は市場が好きだ。出張先でも現地の人が普段利用している市場をよく訊ねる。その地方で採れる独特の野菜果物・魚介類・食肉類を発見すると何故か嬉しく、出来ることなら現地の料理店で食すようにしている。ここ仁愛市場でも獲れたての鮮魚を山積みした魚屋 (写真5)、黒豚専門店(蹄が黒いのに注目)(写真6)、渡り蟹や錦エビの専門店 (写真7)、北京ダックに使うのかアヒルをマヒルから売ってる店(ハイ。またまたオヤジでした。すんまへん。)(写真8) 皮を剥かれたピンクの鮫 (写真9)。血を流しながら陳列された烏骨鶏 (写真10)、あたかも鉄人レース選手の筋肉をれんそうする田鶏(カエルだよ)…。ヒャー凄いね! わくわくしちゃう!(写真11

ここの市場もお約束どおり一階が生鮮品で二階は飲食店・服飾店・周りに全く囲いが無く、お客になるにはちょっと恥ずかしい散髪屋や美容院。それらが何の脈絡も無く混在している。小腹が空いたので餃子屋に突撃する (写真12)。ここのおばさんは凄い。一人で餃子の皮を麺棒で延ばしながら、具を包みながら、客の注文を受けながら、餃子を茹でながら、販売まで一貫してしているのである (写真1314)。いやぁ旨かったねぇ。

その後お総菜屋さんのベンチに座っていろんなものを少しずつチョイス。先日発見した、大豆製品「素食」を味わう。湯葉と生麩と鶏肉を合わせたような不思議な食感で、それを甘辛く煮てあるが、べたべたに甘くはない。八角と五香粉により甘い香り(ちょっと漢方薬系)だから上品でさえある。私が食べていたらよれよれのジーさんが白飯だけを注文し発泡のカップについでもった。店のおねーさんとそのジーさんが何やらプチ口論するもおねーさんは「しょうがないわねぇ。」という表情を見せたかと思うと、やおら豚角煮の汁を白飯にたっぷり掛ける。ジーさんは歯のない笑顔で謝々と言って奥のテーブルで食べ始めた。なるほどね。そーいう手もあるんだね。業というか人徳というか。なにやらちょっとほのぼのでした。

基隆には慶安宮というお廟があってやはり大きな夜市が立つって聞いていたけど、昼までもにぎわいが凄かった。こんな感じです(写真15)。写真左端のおねーさんは私がカメラを構えたとき「ピース」をしてくれたのだが、気づくのが遅れて半端な写真になりました。ここでも台湾B級グルメパワーは爆裂していて、ありとあらゆる料理が盛り盛り盛り沢山 (写真1617)。蛸を焼いたり、タニシの醤油漬け (写真18)、羊料理専門店 (写真19)、焼売やちまき、豆腐のデザート (写真20)、カニ飯(これはゴッツ旨そうでした)(写真21)、最後に可愛くいちご味とハミ瓜とあんこのくず餅を買って基隆を後にしました。たいへん面白かったけど、たいへん疲れた一日でした。

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写真4 写真5 写真6
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写真19 写真20 写真21