ボランティアの第7回錦江湾海洋資源調査も無事終わり、少しぐらいは本業もしなくちゃと、翌日薩摩黒豚の生産者「古澤農場」を訪問する。(写真1古澤さんと私) 薩摩黒豚とは、薩摩藩が琉球との密貿易で連れてきた中国原産の島豚と、薩英戦争後イギリス産バークシャー種との交配種であるとされている。

以来、鹿児島で豚と言えばこの黒豚をさしていたが、高度経済成長時に薩摩黒豚の名声が全国的に一旦は高まったが、生産現場の要求からランドレース種や大ヨークシャー種など効率の良い、つまり多く生んで早く大きく育つ品種が導入され、薩摩黒豚の存在は希少なものとなっていった。1985年には県内の豚飼育数の僅か3%までに落ち込み、今でいう絶滅危惧種並になってしまった。

しかしバブル期の全国美食ブームで薩摩黒豚は復活する。県の畜産科の人に実際に聞いた話で「白豚に塗料を塗って出荷した者もいた。」なんて中国では有りだけど、日本じゃ信じられないような事もあったという。

黒豚の人気はバブル崩壊後も衰えず、今では飼育総数の20%以上になったが、1999年「純粋なバークシャー種のみを黒豚」という定義が制定されると、定義には背かないが、効率の良いアメリカ系バークシャーを導入するものが現れ交雑が進む。

(有)鹿児島ますやの米増社長を中心とするグループは、薩摩黒豚の純粋種を守る活動をしている。黒豚の特徴として「六白」が上げられる。即ち鼻先、前後脚の先、しっぽの六カ所が白いのだ。更に(写真2)の子豚の様に、純血種では吻(鼻先)が短く潰れた様で、えらの部分が左右に広がっている。

(写真3)はこの子豚のパパ種豚ゴロちゃんで、古澤農場の宝物である。羨ましくないけど、彼一人で10頭ほどの母豚に種付けをする。全然羨ましくなんてないけど、ゴロちゃんの睾丸はハンドボールほどもある。でかい。(写真4)全く羨ましくもなんともないけど一回の射精量は約500ccなんだって。

背中に視線を感じて振り返ったら、何とそこにはアベルがいるではないか。しかもヌードで…(怖) と思ったら出産直前の母豚でした。(写真5)

古澤農場ではさつま芋を中とした餌を与えながら、ゆとりのあるスペースで、元気いっぱいに育てている。(写真6) しかし、子豚はかわいいなぁ。連れて帰りたくなってしまいました。(写真7) しかし養豚農家の現実は切実なものがある。餌の値段は倍になり経費も上がり続けている。小さな生産者は廃業に追い込まれるか、古澤さんの様に設備投資し業務拡大を計るか、選択を今まさに迫られているのが現実である。

(写真1) (写真2) (写真3)
(写真4) (写真5) (写真6)
(写真7)