株式会社ジャポニックスは大阪を本社とする味噌や醤油やソーズなどを得意とする食品問屋で、創業は昭和24年というからそろそろ60年になろうとしている会社だ。食品業界は少子高齢化や原料高騰等様々な要素から、食品メーカーや小売業である百貨店、量販店の経営統合・企業再編はさけられず日常茶飯事的に行われている。っていうか、何が起きてもあまり驚かなくなってしまっている。問屋業(卸売業)は食品業界でいち早く経営統合が実行された分野で中小は国分や菱食、旭食品等の大手に吸収された所も多いが、この会社は独自路線でがんばっている。HPの「社長の声」によると、「量的販売から質的販売への転換、物流の合理化、業務の能率・効率化などを積極的に推進し、厳しい経済環境、進化しつづける情報ネットワークに対応した組織づくりを進めていく所存です。」とある。実際に展示会に出店しているメーカーを見てみると所謂ナショナルブランド(全国津々浦々を網羅しているような大手メーカー)はほとんどなく、全国の小さな蔵が多い。創業から味噌・醤油等に特化して生業を継続してきた結果「量的販売から質的販売への転換」が可能となるのだろう。このような問屋はありがたい。

以前はこのような問屋単位の展示会・見本市はしばしば行われていた。特にバブル期には、ホテルの大広間で華々しく開催され、期間中の売り上げによってくじ引きだの福引きだので特等はハワイ旅行ご招待だとか大型テレビだとか誠にバブリーであった。しかし今ではほとんどなくなり、私達が定期的に行くのはこのジャポニックスだけになっている。FOODEXとかスーパーマーケットトレードショー等の大きな展示会は出展者も多く、世界的規模なのでそれはそれで面白いのだが、サンプルや資料を請求しても来場者数が半端じゃないので対応が非常に遅い。忘れた頃にサンプルが届いたり、電話があっても何のことか忘れちゃってることも多い。

その点、ジャポニックスの様な小さな展示会では、その場で味見できるし商談・注文もできる。「サンプルおくれ。」と言えばその場でもらえる。勝手に展示品を袋に入れても通報されることはない。(と思う。) 早い話が公認の万引き大会なのだ!
この何年かは私と担当社員と事務員さんで行っているが展示会が近づくと全員気合いが入る。「今年は台車を持ってこか?」とか「いやいやそれはいくら何でも恥ずかしい。」とか「じゃ、おっき目の袋を二枚づつ。」とか、数日間楽しく過ごすのだ。
狙いめは最終日。それも終わりかけ。参加メーカーさんにとって、設営はらくちんで楽しい。それに対して撤収は面倒なもので、地元に持ち帰るものは少ないほど良い。そのようなメーカー社員の心理をついた見事な作戦なのである。事務員さんは半年分の味噌・醤油・その他調味料をこの展示会にかけているのだ。写真は万引き…もとい頂戴したサンプルのごく一部である。これを全部味見して店頭で取り扱うかどうかを判断せねばならない。つらいのう。