腐植には植物性のものと動物の糞尿のものがあるって説明したけど、別の分類として「栄養腐植」と「耐久腐植」ってのがある。栄養腐植は分解が早く、すぐに地中の窒素源となるけど土壌の改良にはあまり貢献しない。
耐久腐植というのは、分解されるまで時間の掛かる腐植のこと。炭素と窒素の比率の事をC/N比と言うんだけど、これが高いほど分解されにくい。例えばおがくずを発酵させずに土に入れると、分解されるまで30年もかかる。

耐久腐植を具体的に言えば、木質系の腐植で、落ち葉・おがくず・籾殻などを発酵したもの。草と木の違いって分かる? 木の細胞には草には無い「細胞壁」ってのがある。だから木は堅い。

細胞壁はセルロース、ヘミセルロース、リグニン、ペクチンなどで出来ていて、発酵しても分解されにくい。土壌中の耐久腐植の目減りは年間約3%くらい。ゆっくり微生物のえさになるので土作りにはすごく有効となる。

以前、仁和寺の霊験あらたかな落ち葉を大量にいただき堆肥を作ってお友達の農家の畑に入れたら、土がふかふかになって行って、レタスやキャベツなど実に立派な作物が出来た。ただ、耐久腐植を一度に大量に投入すると微生物とのバランスが悪くなり、分解が進まず、「窒素飢餓」といって植物に行くべき窒素が腐植を分解するために使われ、生育に悪影響を及ぼす事になるので要注意だ 。

日本のように雨の多い国では水素イオンが増加して、塩基が流出する傾向が多いので土壌が酸性に傾きやすい。そんな場合でも、適度に腐植が入った土壌では、腐植の石灰やマグネシウムが水産イオンと置き換わり酸性になるのを防いでくれる。