これで四回目の台湾。最初はパッケージ・ツァーで、お約束の観光名所・お土産屋をつれ回され、二回目は京都の台湾家庭料理店「青葉」のお母さんを団長に、その常連客との団体旅行。三度目は台湾一周のほとんどバスと列車の苦行ツァー。それぞれそこそこ面白かったのだが、今度は自分達御用達ディープな台湾を感じてやろうと台北エリア限定ツアーを企画した。

諸般の事情から、遅く出発し早く帰ってくるという最悪のパターンだが致し方なく、 関空からEVER航空で台湾をめざす。

約二時間で桃園湖西空港に到着。

台湾のバカ! 2009年1月より屋内はすべて禁煙になって、違反すると最高10000元( 約3万円)の罰金をとられる事になった。私にとってこれはキツイよ。屋外にも灰皿はあまり置いていなくなった。しかし、私のように年期の入った煙草呑みは、本能とも言える探査能力を有しており、すぐに灰皿を見つけちゃうのだ。台湾上陸第一服。ぷぁ ~っ。

シーザーパーク・タイペイにチェックイン後、買い物を頼まれていたのですぐに市内の免税店へ。閉店一時間前だったので店内は他の客はほとんどおらず、ちょっと寂 しい雰囲気。頼まれ買い物だったから良いようなものだけど、自分の買い物だとパワー削がれるな。

さて、今回ツアー初の夕食だが、全台湾に解き放っている工作員の一人から「親方、 ええ子・・じゃなくて、ええ店おまっせ!」との情報を受け民生東路二段147港11-1に ある「儂来喜慶延席」という店に向かう。

この店はメニューも多く、台湾のスターシェフのお店であり、しかも安いので地元の人々に絶大な支持を受けているらしい。例えば青椒肉絲が140元、牛肉のオイスターソースが200元、そそられるからすみチャーハンが180元。だいたい3倍すると日本円での価格だから餃子の王将より安いんじゃない?。日曜日の夜だった事もあろうが、店内は満員、家族ずれが店外まで何組も待っている様子。まっ、しゃーないかと並んでい ると、店員が付いてこいと言う。狭い通路を挟んですぐ隣に別館?があった。しかしそこも満席。するとまたまた付いてこいと言う。

ほんの少し歩いて連れて行かれたのが「儂来 魚翅鮑魚龍蝦専売店」だった。

ヤバい。なんか高そうな雰囲気。だってフカヒレ・アワビ・伊勢エビ専門店って書いてあるんだろ?これ。

時間を見るともはや午後8時になろうとしている。台湾第一回目の夕食のため、機内食も半分しか食べずにいたので空腹感は絶頂を極めていた。いざとなったらVISAがあるさ、と意を決してご入店。

なんと、この店にはA定食とB定食しか無いのである。まるでどこかの政党の執行部人事みたい。しかも定食の料理はAもBも同じ。旅行直前に携帯をiPhonに替え、日本語から各種言語に翻訳できるアプリケーションを入れておいたのが役に立った。「AとB どうちがうの?」と聞けば、ウェイトレスのおばさんは片言の日本語で「Aはおっきフカヒレ、おっきアワビ、おっき伊勢エビ。Bはちっさいフカヒレ、ちっさいあわび、ちっさい伊勢エビあるよ」と明瞭かつ端的にお答えいただいた。かなりボリュームがあり そうなのでA定食をシェアする事に。

先ずは突き出しとサラダ。突き出しはニンニクの芽とタマネギ、練り物風のものを和えたもの。サラザは黒豆がちょっとうれしかったが、魚翅鮑魚龍蝦専売店なる店でかに蒲鉾を使うなよ、とこの先が不安になる。
 

ところが、ところがである。そんな不安を第一番目の主役が一瞬で吹き飛ばしてくれた。テーブルに運ばれてきた土鍋のふたを開けたとたん、誰もが息を飲み、暫く声も出ない。  「で、で、でかい」 煮えたぎるとろみの付いたスープの中には巨大なフカヒレが幾重にも重なっているではないか。よくあるレトルトのフカヒレスーブなどの、全く存在感のない、繊維のようなフカヒレではない。ドカンというか、ドスンというか、ドボンというか、重量感満載の迫力。これぞキングオブ・フカヒレと言わずしてどうするの? しかも食べに くい程肉厚なのだ。
 
二杯目には「完熟 赤山椒」をかけてみる。ほんの少し残っていたフカヒレの生臭 さが消え、さらにも増しておいしく頂けました。

干し貝柱やオイスターソースの、見た目より薄味なスープも絶妙で、ごはんやラー メンを入れればさぞ美味しかろうと、おばさんが土鍋を下げて行く後ろ姿を見送った。 お名残惜しい。

続く・・・。