当店では以前から日光の天然氷(かち割り) 1.1Kgを販売している。日光の天然氷はTVを始めとするマスメディアにしばしば取上げられ、その存在は、実際に食された方は限られるだろう。

初めてサンプルが届き、その場にいた社員の一人が自販機で買った缶コーヒーを天然氷を使って飲んだ所「缶コーヒーが喫茶店のアイスコーヒーになった!」と叫んだ。不思議な事に、飲み物全てが旨くなるのだ。クリスタルの様に透明度が高く、堅いので解けにくい。噛んでやろうと試みるが、歯が欠けそうになり諦める。確かにすごい氷だが、果たして売れる物だろうか。なにしろ一袋1200円だもの。社内では「そんなかち割り売れへんで。」とか「値段を見ないで買って帰って、レシート見てビックリ。クレームになんのとちゃいますか?」とか慎重な声が多かったが社長決済でGO! 最初は「レシート見てビックリ」のお客様も有ったが、今では冬場でも月間60〜80個は売れている。リピート率が高い商品で口コミで広がっているようである。

天然氷は電気等を一切使わず、自然の冷気を利用して池に引き込んだわき水を凍らせて作る。と言うのは簡単だが、実は大変な作業を必要とする仕事なのだ。三代目徳次郎氏 が高齢となり

後継者もいないため廃業を決めた。
それを聞いた四代目徳次郎氏

と仲間達が、伝統の製法を潰しては行けないと立ち上がった。

上質な氷を作るためには土の手入れが欠かせないという。

 「えっ、土???」

春になるとモリアオガエルが産卵し、そのオタマジャクシが池の底を泳ぎ回って土の中の有機物を食べてくれる。そして秋に土を何度も洗い流して冬に備える。氷が段々下に厚くなって来るのを、土が優しく支えるのだそうだ。また純粋な氷を作るには限りなく純粋なみずが必要で、土が水のミネラル等を吸ってくれる。

冬になり、準備が整い池に水を張れば氷は張る。しかし生半可な寒波では柔らかな氷しか出来ない。その場合、氷を割って捨てる。ガンっていう寒波が到来し堅い氷が張るまでは、何度もその作業を繰り返すのだ。堅い氷が張ったら張ったで、その表面を毎日雪で磨く。掃除じゃなくて磨くんだよ!

氷の切り出しは唯一エンジン付きのカッターを使用する。

後は全て人力。手かぎで60Kgもある氷を持ち上げて、毎年作り変える木と竹で出来たレールで氷室まで運び

積み上げる。

 
上の写真では氷室の半分、横板の一番上まで氷が蓄えられている。氷はおがくずで覆われる。氷室は断熱材などなく,外気とはイケイケで、解けた水がおがくずにしみ込み、蒸発する気化熱で氷を守る先人の知恵が今でも使われているのだ。

これをお読みの、一部の性格の悪い方。「原料が湧き水で電気代も要らないんじゃガッチリなんじゃないの?」なんて思ってない?  1シーズンで約160tの氷が出来る。しかしこの様に

不出来な氷が90%も出来るのだ。さらに商品になる氷も貯蔵中に30%は解けてしまう。

地元では、氷と言えば天然氷と決まっていた。ところがコンビニ等で工業的に作られるロックアイスが出回りだすと、当然それと価格的な競合が起こり段々苦しくなって来た。

天然氷を作っている所は全国で5箇所になっている。私は無殺菌牛乳共々、これは日本の宝だと思う。  四代目と仲間達はほとんどボランティアで天然氷を作っている。みなさんこの氷をぜひともお試し下さい。通販でも買えます。みんなで日本の宝を守りましょう

飲食店等を営んでおられる方、天然氷でかき氷をメニューに加えてみませんか? 本当は三月からなのに、特別にCafé&Diningber珈茶話さんがかき氷を作ってくれました。シロップは地元のブルーベリーをつかったもの。
 
どうでぃ! まるで飴細工の様に美しく、口に入れると新雪の口溶け。頭につんと来ないし食後体が震える事もない。日本のあちこちで天然氷のかき氷が食べられるといいのに。