2006年に書いた薩摩黒豚についての日記
「薩摩黒豚のルーツは薩英戦争にまで溯らねばならない。紛争終了後、英国艦隊が食料として連れてきていたバークシャー種という豚と、琉球経由で(薩摩藩は琉球との密貿易でとってもお金持ちだったのですね)中国から入って来ていた在来種の豚が交雑して生まれたのが「薩摩黒豚」なのだ。他の品種に比べて薩摩黒豚の黒豚の筋繊維はきめ細やかで、保水力が優れるためモチモチした赤身の旨 みに加え、「白肉」と呼ばれる飽和脂肪酸を多く含み、融点が低い脂身の旨さが何と言っても薩摩黒豚の特長だ。
非常に美味な薩摩の黒豚だったが、欠点は繁殖力が弱く肥育が時間が掛って出荷時になっても小さい(肉の量が少ない)。昭和30年頃までは鹿児島では黒豚の生産が主流だったが、40年代になると経済効率の良いランドレースとか大バークシャー等の白豚に生産の主力がドンドン移って行き薩摩黒豚はほとんど駆逐されてしまった。
時は流れて飽食の時代、グルメブームで薩摩黒豚の旨さが見直された。当然高値が付いたが生産効率が悪い。そこで効率の良い品種と交配を繰り返す内に血統が分からない様になってきた。本来の薩摩黒豚は鼻は短く、激しい夕立があれば溺れるほど(嘘)ぺしゃんこで、下あごが上あごより長く横に張り出し胴長短足である。私が当社社員アベルをそのように命名したのは、上記薩摩黒豚の外的特長を著しく受継いだ種豚「アベル・サクラ・アリミズ」に由来する。薩摩黒豚の多い中、顔がすらっと細長く美形で体の大きい豚ははっきり言って偽物に近い。」

今日「鹿児島ますや」さんから豚肉のサンプルが届いた。
アメリカ産のバークシャーと交雑され、血統がぐちゃぐちゃになってしまった薩摩黒豚をもう一度「鼻は短く、激しい夕立があれば溺れるほど(嘘)ぺしゃんこで、下あごが上あごより長く横に張り出し胴長短足である」本来の姿にすべく、交配を重ね出来たのがこの「短鼻豚」だ。

届いたのはロース、肩ロース、バラ肉。

肉の味をみる試食なので塩こしょうと黒酒だけの味付けで、同じく塩こしょうで炒めた春キャベツの上に盛りつける。写真では見分けがつきにくいが左がバラ肉、右がロース、下が肩ロースだ。

味については、ロース、肩ロースはともに薩摩黒豚本来の旨味が強く、甘みがあってもちもちと旨い! ただロース、肩ロースの違いがあまり無い様に思えた。私だけではなく、一緒に試食した6人が口を揃えたのだからそうなんだろう。
一番好きなのがバラ肉。フライパンで炒めるとよけいな油が出るので、丁寧にペーパータオルで取ってやると「白身」の旨さが甦る。

全員「星五つ!!!」