うちの事務所には毎日来客が多い。で、何をしているのかというと、勿論商談をするのだが、それはだいたい20%位で後は世間話や冗談を言い合って遊んでいる。と、従業員は思っているようだ。しかし、彼らには分かっていない。バカ話の中に潜む業界の動向・裏話・市井の様子を探り出し、情報の収集という大事な仕事を、自分を偽りバカを演じ、忍び難きを忍び、歯を食いしばり、涙をこらえ実行しているのだ。

最近そんな情報の中に、神戸を中心に20数店舗展開している某高級有名スーパーが不採算店のいくつかを閉店予定で、すでに銀行の管理下に入っているという噂を聞かされた。業種の違う複数の人達からの話だから噂とはいえ全くあり得ないことでは無いのだろう。

四年前、宇多野店を改装してすぐにこの某スーパーから嫌がらせを受けた。宇多野店のすぐ近くにこの系列の某支店があり、共通の仕入先のいくつかが圧力をうけて当社への商品供給を断ってきたのである。あの有名な企業がその様な姑息な手段に出ようとは全く思いがけないことで、企業規模からしても象に対しての蟻のごとく小さな当店への力ずくの「嫌がらせ」としか思えなかった。

断ってきたのはただ数社だけであり、圧力に屈しなかった取引先が大部分だったので、実務上は大して影響は無かった。しかし某スーパーの非常識にもあきれるが、子会社でもあるまいし、いくら取引額が大きいといってもその様な理不尽な要求に応える方もどうかしている。

京都の有名な某砂糖・雑穀問屋などは、営業マンに「砂糖を買って貰っていない得意先には、砂糖以外の商品を納めてはいけない社内規定があり、それを忘れてフレンドフーズさんと取引してしまった。だから今後の取引は出来ません」などと訳の分からないことをいわせ、直接社長と話しをしようとしても今に至るまで電話にも出ず逃げている。それなればと仕入代金8万いくら残っていたのを払わずにいたら、支払催促の内容証明が来た。

当方もすかさず、継続的取引契約こそ結んでいないが長年に渡り継続的取引関係現実にが存在し、支払いの遅延や未払いなどの当方の瑕疵もないのにも係わらず、一方的に取引を中断するのは民法の信義誠実の原則に反する行為で、代表者からの正式な取引中止理由と、もし営業マンが言う社内規定があるならそのコピーを送ってくるなら残金を払う、という内容証明を送った。未だに支払い催促の内容証明が毎月届くが、こちらへの返事はなしのつぶて。そりゃ答えられんやろ。

これなど面白半分に、半ば笑いのネタにしようとしていたものだが、人を通じて耳に入ってきた某スーパーの常務か専務だかのいった事には頭に来た。イカリがこみ上げた。その者達がうちの店を見に来て、言った言葉が「何だこれは、うちの(某スーパー)の猿まねじゃないか!」

悪いけど、最後に某スーパーに買い物に行ったのは家族で有馬に旅行に行ったときで、息子がまだ小学校に上がっていないときだから、少なくとも15年以上は左京区の支店を除いて行っていない。行ったのは確か夙川あたりの店だったと思う。私は良い店は北陸であろうが九州であろうが定期的に見学しに行き、良いところは出来るだけパクるようにしているし、その様なお店の人達ともたいていは懇意にして貰っている。15年も行っていないと言うのは、すなわち見る価値がないだけのことだ。左京区の店にしばしば行くのにしても、新入社員を連れていき「こうなってはいけない」と反面教師として具体的モデルケースを見せるためである。

いくら歴史があり図体がでかくとも、こんな企業理念では左前になるのは当たり前かも知れない。「天網恢々疎にして漏らさず」ということか。