サンフジ、サンツガル、サンムツなど、名前にサンが付いているものと、付いていないリンゴがありますね。今日はその違いを・・・。

リンゴの原産地は低温低湿な環境のコーサカス地方から中国天山山脈にかけてが原産地と推定される植物ですが、温帯に属する日本は高温高湿な環境で、病虫害が出やすいのです。

明治の初めに入ってきたリンゴは、東北を中心に広まって行きましたが、当時は大人気で飛ぶように売れて、まだ病虫害も少なかったと聞いています。

しかし、明治31年から、ワタムシ、リンゴムシ、フラン病、花クサリ、実クサリなどが大発生してリンゴ栽培は大打撃をうけました。明治37年ごろからは画期的なりんごの袋掛け(有袋栽培)やボルドー液などの薬剤散布方法が導入され、また新しいせんてい方法が研究されるなど栽培技術が著しく進歩し、りんごの商品的地位が確立していきます。

♪赤いリンゴに唇よせて♪と戦前から昭和30年頃までは、日本における果物の売れ筋トップはリンゴでしたが、ミカンの流行でその地位を奪われてしまいました。皮をむいたり切ったりするのが面倒なので、ついついナイフを使わないみかんを食べてしまう。これが本音だと思います。

昭和40年ごろから、リンゴの巻き返しをねらい、栽培農家はアメリカ西バ-ジニア州で確立していた、りんごに袋をかけずに育てる無袋栽培の技術導入しはじめました。サンと付くリンゴはこの無袋栽培されたものなのです。

無袋栽培は、ただ袋をかけずに栽培すればいいというものではありません。昔のリンゴの木は大木で、農作業は重労働で危険を伴うものでした。リンゴの木をもっと人工的に小さくしてそだて、無袋栽培で1度、矮化栽培で1度糖度が上がりますから、同じ品種ならサンが付く方がおいしいと思います。

「蜜入り」についてですが、葉の部分で作られたデンプンが、ソルビトール(糖の一種)に変化し、それが果糖変化したものがリンゴの甘さです。「蜜」は葉から果実に運ばれたソルビトールが果実に充満し、細胞と細胞の隙間にあふれ出た状態なのです。アメリカでは「ウォーター・コア」と呼ばれ、あまり歓迎されないそうです。