「塩業近代化臨時措置法」が作られたのは、工業化・近代化の波に乗った産業界からの要求、つまりコストダウン=大量生産と純粋な塩化ナトリウムへの要求でした。塩化ナトリウムだけを「塩」とすることが、国民の健康・生命に多大な影響を及ぼすと言うことを政治家は考えていたのかは分かりませんが、私はこれが政府がとってきた愚作のなかでも最悪のものの一つではないだろうかと思っています。

日本食用研究会(日本から塩田が消えて以来、昔ながらの自然塩の復活をめざして活動・研究を続け、準国産の自然海塩「海の精」を開発。塩をはじめ、日本の伝統的な食品や食生活や食文化を再発見し、現代的な、国際的な食のあり方を新構築するという試みを行なっている会です)では、イオン交換樹脂幕による化学塩について次のような問題点をあげています。
●生産効率を上げるため、濃塩酸などの強酸を使用している。
●強酸を使う当然の結果として、苛性ソーダなどのアルカリ剤で中和しなくてはならなくなること。
●イオン交換樹脂幕を使う結果として、海水中の元素の天然存在比が人工的に破壊されること。
●海水中に天然に存在する他種類のアミノ酸、ビタミン類、糖類、酵素類、ホルモン類、プランクトン類が完全に排除されること。
●合成樹脂幕の溶出の問題。
●イオン交換式製塩業7社のうち5社までが瀬戸内海の海水を利用しており、汚染による公害物質の残留が心配される。

塩は最も基本的なかけがえのない命の糧です。それが塩化ナトリウムだけの化学塩となれば、国民全部がミネラル不足となるのは当然です。農作物さえも昔に比べてビタミン・ミネラルが半減しています。化学肥料による窒素・リン酸・カリ等の大量施肥はされますが、微量要素は出て行くばかりで補給されないからです。

厚生省の指導では、塩の摂取は一日10グラムとしていますが、あまりに減塩を気にしすぎて減塩病の人が増加しているそうです。日本綜合医学界会長 沼田医学博士によると、具体的な症状として、手足のしびれ、無気力、精力減退があげられ、いずれも自然塩の増塩によって回復しているようです。

「塩分の摂りすぎはよくない!」というのは「塩化ナトリウムの摂りすぎはよくない!」と言い変えるべきでしょう。

以前、教育評論家のカバゴンこと阿部進さんが来店され、お話を伺ったことがあります。阿部さんは平成2年3月に糖尿病から半年後には失明すると宣告されたそうです。運良く「大阪の赤ひげ」といわれる三木一郎先生という方と出会い、失明を免れました。

三木先生の治療の基本は「病は食にあり。食正しければ体良くなり、心もよくなる」というもので、「阿部さん、あなたは塩が足りない。塩水を飲みなさい」といわれ毎日自然塩を飲まれました。それ以来阿部さんは、自然塩の普及に情熱を燃やし、事務所に塩事業部まで作ってしまいました。