菠薐草もこの時期美味しい野菜で、秋から早春にかけては、夏場のものと比べると栄養価も二倍含みます。ビタミンA・Cや鉄分がたっぷりで、ビタミンEまで含んでいます。

菠薐草の原産地は菠薐。中国語でペルシャを法蓮と呼び、菠薐草もまた砂漠地域の出身です。菠薐草の種を蒔くときは、一晩水に漬けておきます。するとその水は真っ茶色に染まります。これは種の回りの水溶性発芽抑制物質が溶けだしたためです。

砂漠に生きる生活の知恵とでもいうか、菠薐草は種の発芽抑制物質を洗い流してしまうほどの雨量がないと発芽しないのです。発芽して双葉が出た後、本葉が一対出ますが、地上部はその後あまり成長しません。

その間、根をどんどん伸ばし、水を確保するのに充分深く根を張ると、今度は一気に地上部を成長させるのです。

根と茎の付け根部分が赤く、葉の切れ込みが深い物は東洋種、葉の丸い物は明治に入ってきた西洋種です。菠薐草はもともと硝酸が多いので、生食には向きません。窒素過多で育てられた菠薐草はえぐみや苦みが強く、茹でると色が解けだしたりします。その様な菠薐草はさけましょう。

またどの様な野菜でも、かみそりなどで薄く切り、顕微鏡で見てみますと、ちゃんとした野菜は細胞が美しく整然と並んでいますが、窒素過多のものは細胞そのものもいびつだし、並び方も均一性を欠いています。