スズメバチは、昆虫界の食物連鎖の頂点に君臨する、いわば動物で言うならライオンのような存在です。スズメバチの成虫は他の昆虫を捕獲して毒針を刺し、肉団子にして巣まで持ち帰り、幼虫に食べさせます。しかしオオスズメバチの成虫は体の構造上、固形物は食べられません。幼虫の分泌する液を栄養源として、たった5センチメートルほどの体で、一日100キロメートルもの距離を飛び回っているのです。

この驚異的なスタミナがどこから来るのかについて、幼虫が出す栄養液に注目する研究者が現れ、この栄養液には17種のアミノ酸が独特の組成で出来ていることが発見されました。

この組成の栄養液を飲ませたネズミ群と、他の組成を飲ませた群を水に泳がせ、溺れるまでの時間を比較する実験では、前者は後者を大きく引き離し、242分も泳ぎ続けたという結果が出ました。また、ネズミの血液検査では、運動エネルギー源であるグリコーゲンが体内で分解されたあと、疲労のもとの最終分解物、乳酸が少なくなることが分かりました。

この栄養液が人にも応用出来るものか、研究者は自社の陸上部の長距離ランナーで試した結果、成績は上昇し、体脂肪の代謝を促進してエネルギーの有効活用を助けることが分かりました。

あるメーカーがこのスズメバチドリンクを開発し、バルセロナ・オリンピックで銀メダル、アトランタで銅メダルを獲得した有森裕子選手、昨年のローマでの世界選手権で優勝した鈴木博美選手、シドニーオリンピック金メダルの高橋尚子選手のマラソンランナーが給水のスペシャルドリンクとして摂取していたといいます。

岩手県盛岡市の藤原養蜂所も「スズメバチウォーター」を作っています。スズメバチは蜜蜂の天敵で、蜜蜂の巣を襲い、ひどい場合は皆殺しになるときもあるそうです。藤原さんのスズメバチの捕獲方法は、なんとバトミントンのラケットでペンとたたくそうです。スズメバチは、蜜蜂の巣を襲うときまっすぐに飛んでくるので、なれれば簡単だそうです。

この打ち落としたスズメバチを蜂蜜に漬けておき、ロイヤルゼリーなどを配合して「スズメバチウォーター」を作ります。私はふだん全く運動らしい運動はしません。以前年に二回だけ、取引先とのゴルフコンペをしていましたが、翌日決まって仕事にならないほどの筋肉痛で悩まされていました。ところが、このスズメバチウォーターをプレイ前と後に一本づつ飲むと、全く筋肉痛は起こりません。蜂って大したものですね。