掲示板でれんげ蜂蜜が話題になっいるので、今日は蜂蜜のお話です。現在日本の養蜂で使われているミツバチは「西洋ミツバチ」で、もともとは輸入された品種です。西洋ミツバチは、蜜を集める能力が強く、いったん花を決めると、シーズンが終わるまでその花の蜜ばかりを集める習性を持っています。従ってれんげ、アカシア、みかん、栃などの単独の花の蜂蜜として販売されます。

それに対して在来種の「日本ミツバチ」は花を限定せず、いろいろな花の蜜を集めますので、野趣に富んだ蜂蜜が採れます。日本ミツバチは木のほらなどに巣作りし、蜜を集める力が弱いので、蜜が少なくなってくると巣を引き払い、他の場所に引っ越すことがあります。それが日本ミツバチの養蜂に向かない理由です。盛岡の藤原養蜂所の藤原誠太さんはミツバチの研究をしていて、日本ミツバチの人工巣箱を完成させました。日本ミツバチの群をさわるとあったかで、猫をなでているようです。日本ミツバチは、握りしめない限り刺しません。

集めたばかりの蜜は水分が多く、そのままでは蜂蜜ではありません。それを巣の仲間が受け取り、水分を飛ばしたり分泌液を混ぜたりして濃度を濃くし熟成させます。それを巣穴に詰めて蝋で封印すれば100年でも腐ったり変質しません。

巣箱の前にはペンキで丸や三角、四角などの図形が書かれています。巣の入り口には見張り番がいて、違う群のどじな蜂が巣箱に戻ると殺されてしまうからです。蜂は図形が認識できるのです。

養蜂に付き物の危険は熊。最近は人身事故は少なくなってきたようですが、巣箱を壊される被害は後を絶たないとのことです。クマのプーさんは蜂蜜が大好きなのです。今は定地養蜂が殆どですが、以前は巣箱をトラックに積み、花を求めて日本全国を回る移動養蜂もおこなわれていました。藤原さんは山の標高差を利用して蜂蜜を集めています。吉村昭の小説「蜜蜂乱舞」は移動養蜂を題材にしたもので、その苦労がよく分かりました。私もいつか屋上で日本ミツバチを飼い、店内に遠心分離器を置いて蜂蜜の量り売りをしたいなと思っています。