先日「アマタケ情報交流会議」に参加しました。毎回、食や健康を テーマにして講師の先生を招き、お話を伺うのですが、今回は(株)ケルプ研究所 代表取締役社長 理学博士福士高光先生が講師でした。メモをたよりにその内容をかいつまんで書いてみます。

福士 高光先生
(株)ケルプ研究所 代表取締役社長 理学博士
食品酵素の研究に着手し40数年。その間、北海道大学医学部、帯広畜産大学、専門病院と提携し臨床実験を行う。日本の伝統食に根ざした健康運動を一貫して実践。代替医療分野からも注目されている。

「低年齢化する生活習慣病」その一今日本の100才を越える人は13000人を越え、まだまだ増え続けることだろうが、その一方でガンや働き盛りの突然死なども確実に増えている。またこの数年、感染症や病気が続発している。

感染症を引き起こすのはウィルスや細菌や寄生虫なのだが、例えば食べ物をかいしての感染症はO-157とかA型肝炎などがあるが、長い間忘れられていた結核が復活した。日本でも毎年4万人の人が発病し、その内3千人が亡くなっている。世界では感染する人は一千万人を越え、志望者は350万人以上であると推定されている。これは9秒にひとりづつ結核で倒れているこ とになる。

この実状に対して、東京歯科医科大学教授の藤田浩一郎先生は「今、病原体に著しい変化が起こっている。新たな病原体が現れると共に、古い病原体が、より強力となってわれわれに牙をむきはじめたのだ。新しい病原性を持った細菌などは清潔な場所ほどはびこりやすい。逆説的に聞こえるかも知れないが、日本人の超清潔指向が新顔のウィルス、細菌、寄生虫などを蔓延させ、一方日本人の免疫力を低下させたものと思われる。」といっておられる。

また東大名誉教授の光岡ともたり先生は、「私たちの腸内の細菌群は、単に食中毒が発病するかしないかに関与しているわけではない。細菌群は全身的な免疫機能にも大きな影響を与えながら、風邪やインフルエンザ、他のあらゆる疾患が発病するかしないかに関与しているのです。また、腸内細菌が持っている酵素の種類は、肝臓の酵素より多いといわれているから、腸内細菌が私たちの体に与える影響は著しく大きく、持っている腸内細菌数によっては、私たちが健康で生きられるかまで関係している。」と述べられている。

人間は夫婦の営みにより胎内に一つの細胞が生まれ、それが十月十日の間に素晴らしい分裂をし、人間として生まれてくる。新しい生命の誕生である。この発生の段階で、脳が出来たり内臓が形作られる時期になると、微妙なホルモンが働いてそれぞれの臓器や組織をあるべき姿に形作る。

しかし、その時期に食生活の誤りや、ダイオキシンやその他の物質、つまり環境ホルモンがその微妙なバランスを狂わせ、間違った情報を送ってしまうと生殖系に以上が出たり、精神的にも影響を与え、性格が暴力的になったり、あるいは癌を誘発させたりと異常がでてくる。その異常は性に目覚める頃になって現れるから深刻である。

酵素の無い食品や、添加物を多用した加工食品などの質の悪い飲食品をも外因性の内分泌攪乱物質として胎児に重大な影響を与える場合がある。

1974年、カリフォルニアの沿岸で営巣するかもめが牝だけで巣作りを始めた。当然受精していない玉子からは雛は孵化しない。このままではかもめが絶滅するのではないかと関係者を心配させた。またその後ヨーロッパ北部の北海でもアザラシが大量死した事件もあった。北洋では、鯨やイルカ、アザラシが保護されているのに係わらず八割以上の死んでいたこともあった。

日本でも長野県で小鳥が大量に墜落死していたが、当時はこのような現象について原因を研究する専門機関が無かった。しかし現在ではここ数年で食物連鎖、つまり毒性の集積という点から考えると、動物は連鎖の最終段階にいるのだから、化学物質が動物の内分泌機構にホルモンと類似した、偽ホルモンとして作用している事が分かってきた。

特に受精後2~3週間くらいの胎児に強く作用する。成体になってか ら、雄では性器の萎縮、性欲の喪失、性交不能となり、牝では乳ガンや卵巣癌の多発が各種動物に起こる事が分かってきた。人間も例外でなく、カリフォルニアのかもめの様に小子化の原因になると強く警告している研究者もいる。

細菌やプランクトンに取り入れられたPCBなどは、食物連鎖のサイクルの中で驚くべき濃縮度で人間に還元される。これらは一度蓄積されると半永久的に体脂肪の中から出ていかない。食物連鎖の頂点にいる動物たちは著しくその影響を受ける。

1998年11月28日の朝日新聞朝刊には「人間の卵巣がダイオキシン類に汚染されていることを、東京大学と国立研究研究所のチームが突き止めた。ダイオキシン類は環境ホルモンとして働いて、卵子の質を変え、受精卵の発達に影響を与える恐れがあるため、専門家は警戒を強めている。」との記事があった。

人間はマウスなどより耐性が強いわけだが、影響が出始める頃にはかなりの量になっていて、被害は相当のものになるはずだ。