世界中の研究者から注目を集めているのは、日本と、5000年の歴史をもつギリシャのクレタ島の食事である。1999年10月、このクレタ島で「クレタ食文化健康と栄養国際シンポジウム」がEUとギリシャ政府が共催で開かれた。この会議のテーマは「予防して楽しもう」というもので、クレタ島の島民は立ったままで死ぬといわれるほど健康で、死亡率は世界一低いといわれている。クレタ島の料理はオリーブや果物、野菜と新鮮な魚介類、豆類が中心で、新鮮な野菜果物の一人当たりの消費量は、南ヨーロッパの4倍、北欧の6倍、肉類もバランス良く取り入れ、文字どうりの自然食で医食同源を実行している。クレタ島の人々は「私たちの食べ物は、私たちの薬でなければならない」という、起源5世紀の医聖ピポクラテスの言葉である。ピポクラテスは弟子と患者を定期的にクレタ島に住まわせたといわれている。

1977年アメリカの上院栄養問題特別委員会マクガバン報告書というのがあり、それによると、癌、脳卒中、心臓病、糖尿病、動脈硬化、肝臓病の六大死因の殆どは食源病であり間違った食生活の改善によって予防出来る。現代医学は薬や手術に偏りすぎて栄養に盲目であったと反省し、食育、栄養の教育をして、予防医学への転換を政府に強く求めた。

日本の厚生省も1996年の秋、成人病から因果関係が明確に出来る生活習慣病と呼称を改め、治療予防を主眼とする保険強化策を発表した。

今は乱食、粗食、飽食で、食生活が乱れている。伝承されてきた日本の素晴らしい食文化が日々に失われているが、これに何としても歯止めをかけ、不健康や病気、あるいはキレる荒れる、学校崩壊などがこれ以上増えない、命の尊さとか、あるいは愛の美しさだとかあるいは心の絆というか、連帯感を生む食育教育を日本に根付かすべきである。