岩手県大船渡市に本社を置く(株)アマタケは、種卵から鶏肉とその加工品まで、一貫して自社で生産しているメーカーです。生産の総てを自社で行い、管理を把握しないと製品の安全性を確保出来ない、という考えからです。アマタケの鶏舎では、健康で美味しい鶏肉を作るため、様々な工夫がなされています。

例えば、水を与えるのにもバケツや樋などのオープンな方法では床が濡れたり、水に糞尿が入ったりして、病気の原因にもなります。アマタケでは、地下にパイプをはわせて温水を流し、常に鶏舎の床を乾燥状態に保ち、「ニップルドリンカー」という方法で鶏たちに水を与えています。

これは鶏舎内に渡したパイプに取り付けられた小さなバルブで、鶏がくちばしでつついた時だけ活性化された自然水が飲めるものです。しかし、孵化したばかりのひよこは水の飲み方がわかりません。そこで保母さんチームの登場です。

たいていのひよこは、保母さんが指でバルブを押せば、水滴が反射する光に反応してつつけば水が飲めることを学習します。しかし、中には不器用なひよこもいて、なかなか水がのめません。

保母さんチームは、そんな不器用なひよこたち一羽一羽に手を添え、繰り返し教えてやります。この段階のニップルドリンカーは、手のひらにも満たないひよこの背丈に合わせて設置されているため、保母さんは床にほほをすりつけての作業で、大変骨の折れる仕事です。それでも、保母さんたちのおかげで孵化後二日以内には、総てのひよこは水が飲めるようになります。

大変なことでも手を抜かず、基本をしっかりきっちり実行する、保母さんチームに食品作りの原点を見た思いです。