海苔全滅といっても有明の海苔の話ではありません。一昨年、傳右衛門の伊藤さんから一袋の海苔をいただました。北海道は厚岸町の海苔とのことで、うかつにも北海道で海苔が採れることも知らずにいた私は驚きました。

早速家で頂いたのですが、カットされておらず新聞を見開いたほどの大きさでした。真っ黒で、ミンチに掛けていない、海苔そのままが厚く天日で干された海苔でした。

軽く炙ってみますと磯の香りが台所中に広がり、厚みの分だけ歯ごたえがあります。うっ。旨い!正直、これまでに食べた海苔の中でも1、2位を争うものだろう。早速袋を裏返し連絡先を探しましたが、厚岸漁業協同組合◯◯支所とあるだけで電話番号も住所も書いてありません。インターネットで検索しても、牡蠣はあっても海苔はどこにもありませんでした。北海道の知り合いに頼んで探してもらいましたが何も分からない、「たぶん地元だけで消費されてんじゃねぇの」とのこと。

仕方ないので忘れていました。ところが、千葉の海産乾物関係の取引先が漁師に頼んでその海苔を作ってもらっている、と情報が入りました。しかも一番摘みから三番摘みまでそれぞれ香りや風味の少しづつ変わった三種類があったのです。すぐに仕入れて販売しました。

さて今年も新海苔を楽しみに、時期はいつですかと取引先に電話したところが、流氷と寒波で海苔は全滅という悲しい知らせが・・・。漁師さんもがっくり来て、肩を落としておられるらしいのです。自然の前ではかくも人は無力なものかと痛感します。漁師さん、気を取り直して来年また美味しい海苔を作って下さい。お願いします。