胡麻油は菜種油と共に、日本で昔から作られていた油です。国産の胡麻を原料にしているメーカーはごく少なくなり、原料はその殆どがミャンマーなどからの輸入品です。私たちの会の仲間が昨年花脊で胡麻を栽培しましたが、かなり収穫出来たようです。

胡麻油のちゃんとした製法
焙煎(釜炒り)平釜で薪や重油バーナーで加熱し、目的の香りや色が出るまで炒ります。強く炒ると色も香りも強くなります。昔ながらに薪を使っている精油所は、薪の確保が大変なため少なくなりましたが、薪の方が火力が強いため良いようです。この作業は、季節や日々の温度湿度によっても影響される、熟練が要求される職人仕事です。

圧搾
昔は梃子を利用した「玉搾り」という方法でしたが、今はペラーと呼ばれる連続式圧搾機が出来て、かなり効率よく作業出来ます。油粕は良質の有機肥料となります。ここで搾られた一番しぼりの胡麻油は、原料の胡麻の重量の約30パーセントです。

湯洗い
搾られた油は不純物を含んでいますのでそのままでは商品になりません。容器に入れられた胡麻油に熱湯を注ぎ、油の粘度を下げるため蒸気を吹き込み良く撹拌します。これは水と油が混ざり合って、水と不純物が一緒に沈殿させるためです。これから約3週間じっと沈殿を待ちます。

精製
胡麻油は精製に薬品を使いません(ちゃんと作る場合)。油洗いし熟成させた上澄みの油を再び加熱し、余分な水分を飛ばします。この時の温度もまた職人技が必要です。胡麻油に含まれる抗酸化物と、水分が完全に抜ける温度が微妙だからです。

これで胡麻油の完成で瓶や缶に詰めて製品化されます。昔は桶に油を入れ売り歩いていました。ひしゃくですくって、お客さんの用意した容器に移すとき、油が糸を引いてなかなか切れません。その間にお客さんと世間話が弾みます。これが「油を売る」の語源です。

胡麻サラダ油と呼ばれるものもあります。上記の工程から焙煎を抜いたもので、一般的な胡麻の香りがしない油で、当店では九鬼太白純正胡麻油がそれです。先ほど抗酸化物の話をしましたが、胡麻に含まれる抗酸化物はリグナンというものです。

リグナンにはセサモリン、セサモール、セサミン、セサミノールの4種類があり、油自身の酸化も少なく、肝臓機能を助けたりコレステロール値を下げたりする働きがあります。また活性酵素を抑える事も最近分かってきました。ちっちゃな胡麻にはすごいパワーがあるのですね。