無洗米のミルキークイーンとコシヒカリのブレンド米が入荷した。無洗米とは、すでに工業的に粘着ぬかを取り除いてあって、家庭で米をとぐ必要がないように加工された米である。ブラシで米の表面を磨いて粘着ぬかを除去する方法が一般的で、水や薬品を使って洗っているわけではない。奥様方の手間が省けるし、河川・湖・海の富栄養化の原因の一つとなっている家庭排水に含まれる米のとぎ汁が減るわけだから、結構な事なのかもしれない。ただ、やはり割高にはなっているようだ。

「ミルキークイーン」は、平成元年から同6年にかけて農林水産省が中心となり、大学や企業などが進めた「スーパーライス計画」の中から生まれた米の品種である。この計画からは、様々な機能を持った米が作られたが、ミルキークイーンは実際に商品化されたものの一つだろう。

米の成分のうち最も多く含まれるのは澱粉で、米の美味しさ・粘り・堅さはこの澱粉の性質によって左右される。また蛋白質も含まれているが、多すぎると不味い米になる。稲が栄養成長から生殖成長に移行するとき、水田に窒素が多く残っていると蛋白質の多い米が出来る。追肥の時期と量を、丁度窒素が切れるように判断出来る人が「米名人」と呼ばれる。清酒の醸造で米を磨くのは、米の表層部分に蛋白質などの不要な成分が多いため取り除き、中心部の澱粉のみを使用したいために行う。逆に、造酢目的の清酒醸造はその余計な部分が最終的に有機酸の酒類の豊富な、美味しくて体によい米酢を作り出す。何と先人達の知恵は素晴らしいものか!

さて、米に含まれる澱粉には「アミロース」と「アミロペクチン」の二種類があり、前者が多いと粘りけのないパサパサした米になり、後者が多い米は粘りが強くなる。餅米はアミロペクチンがほぼ100%、粳米のアミロース含有量は20%だがミルキークイーンはアミロースが5~10%しか含まれていない。

今回試食したものは、福井産コシヒカリと三重産ミルキークイーンが50%づつの複数原料米だから、ミルキークイーン単体の試食とは言えないが先ずは食べてみよう。炊飯器に米と水を入れて軽くかき回すとうっすら白く濁るが、メーカーの説明によると澱粉質だそうなのでそのままスイッチを入れる。水加減は普通通り。

炊きあがりは艶があり、米が見事に立っている。塩だけのおにぎりにして惣菜部員と試食したが、全員が確かに粘りがあって美味しいとの評価だったが、私は南魚沼産コシヒカリに比較すると少々甘みに欠けると感じた。ただ、特筆すべきなのは、数時間たっておにぎりが確実に冷めても、その柔らかさが炊き立てとたいして変わらないことだ。また味も格段に落ちると言うことはないように思えた。