友達から電話があった。「ある人からほうれん草4束には致死量の残留農薬があるって聞いたけど、ほんまか?」
残留農薬やポストハーベストに深い関心や不安感を抱いている消費者は多いだろうが、これほど極端な話は始めてである。冷静に考えると「それはたいそうやろ」と感じるのが当然だろう。

もしもそれが事実なら「大量殺人事件発生! 凶器はほうれん草か?」とか「ほうれん草4束を食べ服毒自殺!!」「ほうれん草を使った離乳食で幼児死亡!!」等の見出しが新聞紙上を飾るであろう。

あるいはこんな仮説はどうだろう。日本民族には毒物をもろともしない特別な、他の民族が決して持っていない遺伝子があって一億数千萬の人口を維持し、世界一の長寿国家足り得ている。

現実には無農薬栽培の野菜でも、慣行農法の野菜であっても残留農薬は殆ど残っていない。農薬にはその使用法が厳格に定められていて、大部分の農家もそれに従っているだろう。農家は農薬散布のとき頭から薬をかぶることがある。中毒になったり死にたくない農家なら安全基準まで希釈された農薬を適正な方法で散布するだろう。農薬事故の殆どが農家で、残留農薬が直接の原因で一般人が死亡した話は聞いたことがない。

ほうれん草の話の背景を聞いてみた。長く外食産業の会社を経営しているこの友人は、残留農薬を取り除き安全な野菜を提供できる技術があると聞いて説明を聞きに行ったそうだ。そこで残留農薬の恐ろしさを聞かされ、その商品の有効さを説明される中で「致死量」の話が出てきたらしい。彼だって経営者として様々な経験を経て現在に至っている人物であるから、不用意に何もかも信じる様な人ではない。しかし、この商品の善し悪しは別として、確信を持った(持ったように聞こえる)大量の情報の渦に巻き込まれると混乱して、これまでの自分の常識を疑ってしまうのかも知れない。

世の中に「うまい話」「おいしい話」がなかなか無いと同様、常識を遙かに越えた「やばい話」もあまり無いのだろうと思っている。人の射幸心や恐怖心を煽り金品を動かそうとするのはフェアではないと思う。もう一度冷静さを取り戻そう。

アベルの社長観察日記

うちの社長そっくりの絵文字を発見! こんなオッサンです。
よく「どちらの業界の方ですか?と聞かれます」

へ   へ
-●-●-
(   o   )
・