「2020AIM」という流通業界の専門雑誌に弊社が紹介されましたので、編集部のご了解を得てご覧頂きたいと思います。
『2020AIM』より抜粋 その3

未知との遭遇への期待感を持って来店

とはいえ、客数は思うように増えない。じっと辛抱の時期がしばらく続いた。結局、前述のシリーズ広告は、同店の認知度を高めるために二年間続けた。徐々にではあるが、「あの店、おもしろいね」という声が聞こえるようになった。新開広告を読んで、遠方からやって来るお客も現われる。商品の問い合わせが来るようになる。クチコミでやって来る人が増える……。そうしてだんだんと事業は軌道に来っていった。現在でも、近隣の高級住宅街からばかりでなく、自家用車で遠くからやって来るお客も多い。ある特定の商品を目当てに、県外からやって来るお客もいる。そして、いまも買い物客の滞店時間は相当に長い。落ち着いたBGMに身をゆだねて、ゆったりと買い物をする姿が目に付く。従業員に「これはどういった商品か」 「この商品とこの商品ではどこが違うのか」と尋ねる声が頻繁に聞こえてくる。この店には 「00はないのか」とNB商品の品揃えの有無を尋ねるお客はもういない。何も筆者はNB商品を不定しているのではない。この店に対して買い物客が求めるものが変わったと言いたいのだ。自分がいつも侍っているなじみのあの商品をと、あるいはコマーシャルで見たあの新商品をと、自分が知り得ることのできた、限りある枠内の商品を求めて来店しているのではない。またおいしい商品にめぐり会えるかもしれないという、未知との遭遇、期待感を持って来ているのだ。たとえそれが毎日の買い物であったとしても。たとえそれがキュウリ一本、豆腐一丁であったとしても。

つづく