今日ある方のご紹介で、神戸市西区で酒の小売店を営業されているKさんご夫婦が訪ねてこられた。お酒の小売業は大変厳しい状況が続いている。私どもが酒類販売免許を取得した当時は酒販組合の結束が強く、酒類を値引きして売るなどお互いが自制し、それでも小さな酒屋でも昔ながらのご用聞きに代表されるように、お客様との長年のおつき合いを武器に何とか生きていけた。

いわば免許制度に守られてぬくぬくした業界だったから、酒のディスカウントショップなどの出現に為すすべもなく、業務店を多く抱えているのでも無い限りはコンビニへの変身か廃業を迫られるケースが多い。ワインや地酒、焼酎などの専門店化出来るお店は生き残れるが、それはそれまでの勉強や努力あってのたまもので今日思いついて明日始められるというものでは決してない。また一時飛ぶ鳥を落とす勢いだったディスカウントもオーバーストア状態でこれまた厳しい。さらにこのまま行くと免許制度そのものが無くなるようである。

Kさんは御父様が亡くなり、会社を辞めて後を継がれたそうで、考えた末ディスカウントを始められたそうだ。神戸市とはいえお店は農業地域にあり、ディスカウントもあまりパッとしなくなって、調味料や野菜を併売する酒屋を作りたいと勉強にこられた。立地条件も店舗の現状も分からないので具体的なアドバイスなど勿論出来ないが、お客様に来店していただくのはその地域の需要をみつけて、それを満たすことが成功につながるのではないですか、と申し上げた。

例えば、一般的に農業地域は高齢化が特に進み一家の人数が少ない。だから食事の材料をスーパーなどで買っても全部消化出来ずに残りは捨ててしまざるを得ないれケースが多いのではないだろうか。と仮定すれば、手作りの美味しいお総菜を用意し、必要なだけ買っていただけるようにすれば必ず喜んで頂けるはずだろう。

Kさんのお店は一年程後に改装して、リニューアルオープンされるご予定と伺ったが現在はまだ暗中模索状態のようだ。私も非常にお世話になっている店舗レイアウトの専門家や取引先を数社ご紹介し、帰路に就かれた。同じ中小の小売業としてなんとか頑張って頂きたいものだ。折を見て訪ねようと思っている。