愛知県碧南市に本部を置くイクタフードさんが名古屋市丸の内に7月新店を出されたので見学に行った。
初めてイクタフードの本店にお邪魔したのはかなり前だったが、店に入って店内を見回すと,アンティークのカヌーや木製チャーン(バターを作る装置)等の数々がディスプレーされているではないか。ぞくっと来た。
私の母親の時代において買い物は「おつかい」と呼ばれていた。我が家に冷蔵庫が入ったのは私が幼稚園の頃で、しかも氷で冷やす物であった。当時家業は長靴やカッパ、ケミカルシューズ等の問屋をしていて住み込みの従業員もおり、昼食の賄いも出していたので頻繁に「おつかい」をする必然があった。つまりその当時の主婦にとっては「おつかい」はデューティで有った。
時代は下って主婦が普通に自動車を運転し、でっかい冷蔵庫が各家庭に鎮座する現在、主婦にとって買い物はホビーとも言えるのではないかと思う。それならば、商店としては商品のクオリティーは勿論、お客様が自店におられる時間出来るだけ快適な空間をも作る事が大事だ、というのが私の持論である。だから店内に絵を掛け、5000曲のBGMを用意し、季節毎にディスプレーを変えている。
一時、冷蔵ケースの上に電車模型を走らせてやろうと思い電気機関車のセットまで買ったのだが、東京目黒のスーパーが既に同じ事をしていると聞き断念した。
だからイクタフードに入った瞬間ぞくっと来たのである。おんなじ匂いを感じたからだ。後に生田社長は「私はわがままな性格で、何かの会に属するのが苦手で、同業の交流もありません。」とおっしゃったが、益々一緒。人の意見は一応聞くがほぼ真逆をする。怖い物無し。群れるの嫌い。性格悪い。はははははっ。
生田社長のセンスの良さは、プライベート商品である牛乳のパッケージに如実に現れている。
新店であるナゴヤ キッチュ・エ・ビオの外観、なんておしゃれなんだろう。
以前ある企業の倉庫だった建物を改装しているのだが、ロフトのテイストを残し、床はコンクリートのままで中二階にはイートインスペースを二カ所設けている。倉庫であったがため天井はとても高い。
そしてカフェまであり、お客さんはこのカフェで飲み物を買い、
あるいは店内の総菜を買ってイートインコーナーで食べる事が出来る。いいねぇ。
となっていて、なんということでしょうクッキングスタジオまである。限られた空間に無理矢理にでも商品を陳列するのが当たり前という業界だが、ナゴヤ キッチュ・エ・ビオでは無駄な空間がゆったりできて実に良い。生田社長GJ!
名古屋の林君、すぐにナゴヤ キッチュ・エ・ビオに走れ!
【所在地】 名古屋市中区丸の内3丁目6-21 久屋鍛冶町ビルヂング 052-265-5850